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学習机の天板、自然木に 2016年12月1日 朝日新聞 神奈川版 

■相模原の72小学校 森林保全知る狙い

 ◆来年度から

 相模原市教育委員会は2017年度から15年かけて、すべての小学校の学習机の天板を、これまでの合板から地元の自然木に交換する方針を固めた。水源エリアの間伐材などの資源活用とともに、天然木の机にふれ、「水源の森」への愛着を育む狙いがある。小学校すべての天板が自然木に交換されるのは全国でも珍しいという。

 市内の市立小学校72校の児童数は約3万6千人。当初の3年間は旧津久井地域で、4年目からは旧相模原市域の小学校で実施する方針。総事業費は約2億円を見込み、新年度予算編成で細部を詰める。

 市面積の約60%を占める森林の保全が、県民の「水がめ」を支えている現状を子どもたちに知ってもらい、郷土愛を育む狙いもある。

 この事業の発端は13年度。一般社団法人「さがみ湖 森・モノづくり研究所」(淵上美紀子代表理事)が、旧津久井地域の広葉樹の集成材を天板にする「森の机事業」を市に提案し、採択された。「子どもたちが毎日使う学習机は、森林環境学習の最も身近なツールになると考えた」と淵上さん。低温で乾燥した木のぬくもりに触れ、汚れたときには子どもたちが紙やすりで手入れする。教室での日々が「木育」につながると考えたという。

 15年度からは環境省などからの支援も受け、16年度までで5校で約450枚の天板を交換した。予算規模が少なく、年間に1学年分ほどを交換するのが精いっぱいだったが、小学校からは「自然の中にいるみたい」(児童)、「教室の雰囲気が明るくなり、手触りも気持ちがいい」(教諭)といった声が寄せられた。

 天板交換の教育効果に注目した市教委が、新年度からすべての児童の学習机を津久井産の間伐材などに切り替える方針を決めた。

 モノづくり研究所は、千葉県内の集成材加工工場で天板の製作を委託していたが、15年度から自前の製材所と集成材の加工工場も整備、生産体制ができあがった。

 森林資源の活用をめざした市の「さがみはら森林ビジョン」(13年度から19年度)は、切り出した木材の生産から販売までの供給システムを整備、地域の産業振興を目標にかかげている。市と研究所は天板交換が、この仕組みの起爆剤になると期待する。

 供給システムが動き出せば、間伐材の搬出、運搬とボランティアなど多くの人手も必要となる。淵上さんは「天板の環境学習教育で育った子どもたちが、将来はボランティアなど森林保全の担い手になってほしい」と話している。

 (白石陽一)

 ◆森の机事業

 市民グループ「さがみ湖 森・モノづくり研究所」が、水源の森を守るため地元の津久井産材の商品開発と環境学習事業を提案。相模原市との協働提案事業に採用された。2013年度から3年の期間限定で、事業費の約80%を市が負担する。そのシンボル事業が、学習机の合板から地元の天然木への交換。一般社団法人となった15年度から「森の机事業」の愛称名になった。

MORIMO/一般社団法人 さがみ湖 森・モノづくり研究所

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